術後管理不十分 7600万円賠償命令
筑波メディカルセンター病院(つくば市天久保1丁目)で02年に卵巣などの切除手術を受けた旧岩井市(現坂東市)の女性(当時25)が死亡した事故で、女性の両親が同病院と2人の執刀医を相手に約1億1千万円の損害賠償を求めた民事訴訟の判決が16日、水戸地裁土浦支部であった。犬飼真二裁判長は、術後に体調を定期的に調べるバイタルチェックの回数や内容などの安全管理が不十分だったとして、同病院を運営する財団法人と医師2人に約7600万円の支払いを命じた。
判決によると、女性は卵巣腫瘍(しゅ・よう)の疑いがあると診断され、02年6月28日、同病院で医師2人から右卵巣と卵管の切除手術を受けたが、同夜に容体が急変。翌日未明に腹腔(ふく・くう)内出血で死亡した。死亡直後に県警が業務上過失致死容疑で捜査をしたが、地検は不起訴処分にした。05年1月に土浦検察審査会が不起訴不当の議決をしても、地検は処分を変えなかった。
一方、両親は「死亡したのは医師が手術時に必要のない動脈を傷つけたのが原因で、術後の安全管理も不十分だった」として04年に民事訴訟を起こした。病院側は「過失はなかった」として棄却を求めていた。
16日の判決は、医師が術後2時間を過ぎてからは、1日3回のバイタルチェックしか指示していなかったなど、安全管理態勢の不備を指摘。さらに、頭痛や吐き気の有無など10項目以上を確認するべきだったのに、最終チェックの午後9時5分は、血圧や脈拍など4項目を調べただけとした。判決は他の医学文献を例に「術後24時間は2~4時間おきにチェックするべきだった。管理を適切にしていれば、出血を疑わせる変化を発見し、女性が助かった可能性は十分あった」と述べた。
死因となった出血についても、「出血個所は動脈の切り口からで、切り口が生じた原因は手術以外に考えられず、医師が手術時に切断したと認められる」とした。ただ、
「出血は緩慢で、気づかなかったとしても不自然とは言えない」と、手術そのものに医師の過失は認めなかった。
判決後に会見した両親の代理人の千葉憲雄弁護士は「人の命を預かる以上は万全な対応をすべきなのに、あまりにもずさん。改善してもらわないと同じような医療過誤が繰り返される可能性がある」と話した。同席した女性の父親(57)は「今でも、金ではなく命を返してほしいというのが本音だ」と述べた。
財団法人筑波メディカルセンターのコメント 判決文が届いておりませんので、申し訳ございませんがコメントができません。届き次第、内容を確認し、今後の対応を検討します。
2010年02月09日 コメント&トラックバック(0) | トラックバックURL |
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